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京セラ(6971)株価は今後どうなる?AI向け半導体パッケージで営業益2.6倍、KDDI株1.5兆円の重み
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京セラ(6971)株価は今後どうなる?AI向け半導体パッケージで営業益2.6倍、KDDI株1.5兆円の重み

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ローゼンマイヤー
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ローゼンマイヤー
AI・米国株・ETFの投資リサーチブログ。企業IR・決算資料・公的統計などの一次情報にあたり、AIインフラを支える「ツルハシ銘柄」を中心に分析しています。

京セラと聞いて、何を思い浮かべますかしら。

複合機、スマートフォン、セラミック包丁──どれも正解ですわ。けれど2026年の決算短信を開くと、利益を押し上げている主役はそのどれでもありませんの。

2026年4〜6月期前年同期2026年増減
売上高4,780億円5,254億円+9.9%
営業利益186億円491億円+164.7%
半導体関連部品の事業利益70億円139億円+98.2%

決算短信は増収の理由を、ひと言でこう書いておりますわ。「主にAIデータセンター向けの半導体パッケージやコンデンサ等の旺盛な需要」。

AIチップを載せる「器」を作る会社として、京セラ(6971)の株価を決算の数字から解剖してまいりますわ。


まず株価から──1年で約1.8倍、7月の高値からは1割下
#

株価は2026年10月16日(金)の終値ですの。

項目数値
株価(10/16終値)3,629円
2025年10月末終値2,050円 → 約1年で +77%
2025年12月末終値2,196.5円 → 年初来 +65%
2026年7月の高値4,019円 → 高値から -9.7%
時価総額5兆1,499億円
PER(会社予想)28.8倍
PBR1.38倍
配当利回り1.54%(予想56円)
信用倍率4.44倍

(株価・指標は株探。月末終値は株探の月足)

月足を並べると、上げ方がよく分かりますの。

月月末終値前月比
2026年3月2,378円-13.95%
4月2,710.5円+13.98%
5月3,483円+28.50%
6月3,561円+2.24%
7月3,691円+3.65%
8月3,657円-0.92%
9月3,646円-0.30%

4〜5月の2か月で+46%。4月30日に通期決算と2,500億円の自社株買いが出て、ここで評価が一段変わりましたわ。その後の6〜9月は3,350円〜4,019円のレンジで横ばいですの。

四季報オンラインは、この過程で京セラが26年ぶりに上場来高値を更新したと報じておりますわ。2000年のITバブル期以来、ということですわね。


何が伸びたのか──「半導体関連部品」と「電子部品」
#

京セラの事業は3つのセグメントに分かれておりますの。4〜6月期の数字を並べますわね。

セグメント売上高前年比事業利益利益率
コアコンポーネント1,781億円+22.1%238億円13.4%
└ うち半導体関連部品1,061億円+30.1%139億円13.1%
電子部品1,036億円+23.6%88億円8.5%
ソリューション2,476億円-2.1%303億円12.2%

(決算短信の「レポーティングセグメント別」より。ソリューションは複合機・機械工具・スマホなど)

半導体関連部品の中身は、決算短信によれば「半導体製造装置向けファインセラミック部品」と「AIデータセンター向け半導体パッケージ」。事業利益は前年の70億円から139億円へ、ほぼ2倍になりましたの。

電子部品は「AIデータセンター向けの小型高容量MLCCやタンタルコンデンサ」が伸びた、とありますわ。前年同期は30億円の赤字でしたから、黒字化が利益全体を大きく押し上げておりますの。ただし短信は、不動産売却益の計上と、前年に事業譲渡の一時損失があった反動も理由に挙げておりますわ。この部分は全額が実力ではない点にご注意くださいまし。

MLCCがなぜAIサーバーで必要になるかは、MLCC(積層セラミックコンデンサ)とは?村田製作所・TDKがAI需要で注目される理由で解説しておりますの。

一方のソリューションは減収ですけれど、これは2026年1月に米国の機械工具子会社を売却した影響ですわ。短信には「譲渡の影響を除けば各事業とも増収」と書かれておりますの。

AIサーバーの中で京セラのセラミックパッケージとMLCCが使われる場所


京セラのパッケージは「イビデンの基板」と何が違うのか
#

ここが、この銘柄を見るうえでいちばん大事なところですわ。

AIチップのパッケージ基板については、ICパッケージ基板(ABF基板)とは?イビデン・新光電気工業がAI時代の最重要インフラな理由で全体像をお話ししましたの。その記事の「その他の関連銘柄」で、京セラを「セラミックパッケージ基板で独自の地位」と書きましたわね。

違いを表にいたしますわ。

イビデン(4062)など京セラ(6971)
主力の基板有機基板(樹脂+ABF)セラミックパッケージ(+有機基板も手がける)
強み大型化・微細配線・量産コスト硬くて反りにくい・熱と気密に強い
得意な用途GPU/CPU本体を載せるFC-BGA基板光通信デバイスなど、気密性・放熱・信頼性が要る部品のパッケージ

有機基板の主役はイビデンで、こちらはイビデン(4062)株価分析で数字を追っておりますの。

なお決算短信は「AIデータセンター向け半導体パッケージ」とだけ書いており、セラミックと有機のどちらがどれだけ伸びたかの内訳は開示しておりませんわ。ここは決算説明会資料で補うしかない部分ですの。

次の一手:多層セラミックコア基板
#

2026年4月27日、京セラは**AIデータセンター向けxPU・スイッチASIC用の「多層セラミックコア基板」**を開発中だと発表しましたの。

発表文の要点はこうですわ。

  • AIチップのパッケージは大型化が進み、**有機コア基板では剛性不足による「反り」**が課題になっている
  • セラミックのコア基板は剛性と曲げ強度が高く、実装時の反りを減らせる
  • 焼成前のやわらかい状態で穴を開けるため、ビア径75µm・ピッチ200µmの微細化ができる
  • 2026年5月の国際学会ECTC2026で展示

これは、大型パッケージの芯材を「何に置き換えるか」という競争への参戦ですの。ガラスで置き換えようとする陣営についてはガラスコア基板とは?関連銘柄6社の量産時期と「売上までの距離」にまとめましたわ。京セラはそこへセラミックという第3の選択肢を持ち込んだ、という位置づけですわね。

ただし、発表文に量産・出荷の時期は書かれておりませんの。現時点の業績には入っていない「将来の選択肢」として見るのが妥当ですわ。


通期予想は上方修正済み──ただし進捗には差がある
#

7月30日、京セラは通期予想を上方修正しましたの。

2027年3月期 予想期初(4/30)修正後(7/30)前期実績
売上高1兆9,400億円2兆800億円2兆702億円
営業利益1,300億円1,600億円1,181億円
当期利益1,410億円1,600億円1,410億円
半導体関連部品 事業利益530億円635億円469億円
電子部品 事業利益210億円260億円73億円
想定為替(ドル)150円155円151円

ここで、4〜6月期の実績が通期予想の何%まで来ているかを計算してみますわ。

4〜6月実績通期予想進捗率
営業利益491億円1,600億円30.7%
半導体関連部品 事業利益139億円635億円21.9%
電子部品 事業利益88億円260億円33.8%

単純に4倍すると、会社全体の営業利益は予想を上回るペースですの。一方で**半導体関連部品は21.9%**と、4分の1に届いておりませんわ。7〜9月以降に加速する前提の予想、ということになりますの。

ここは第2四半期決算で答え合わせができますわ。京セラの中間決算は例年10月下旬〜11月上旬に発表されますので、日程は京セラのIRカレンダーでご確認くださいまし。見るべき数字は「半導体関連部品の7〜9月の事業利益が、4〜6月の139億円からどこまで伸びたか」ですの。

なお為替は、4〜6月の実績が1ドル159円、通期の前提が155円。短信によれば、円安は4〜6月の売上を約350億円、税引前利益を約70億円押し上げておりますわ。円高に振れれば、この分は逆回転することも頭に置いておいてくださいませ。


株主還元──2,500億円の自社株買いと、KDDI株という巨大な含み
#

自社株買い:発行株の11.88%
#

4月30日の取締役会で決まった自社株買いの枠は、こうですわ。

項目内容
上限株数1億5,654万4,000株(自己株式を除く発行済株式の11.88%)
上限金額2,500億円
期間2026年5月1日〜2027年3月24日
9月末までの累計4,922万7,800株・1,776億円(金額ベースで約71%)

さらに5月29日には、自己株式9,137万株を消却しておりますの。発行済株式数は15億1,047万株から14億1,910万株に減りましたわ。

残りの枠はおよそ724億円。期限の2027年3月まで、市場での買いが続く計算ですわね。

KDDI株:保有5億株、時価でおよそ1.5兆円
#

京セラは創業者・稲盛和夫氏が第二電電(現KDDI)を立ち上げた経緯から、KDDIの大株主ですの。

4〜6月期には、KDDIの自社株買い(公開買付け)に応じて一部を売却しましたわ。

項目数値
売却株数5,368万1,800株
売却価格1株2,325円
売却総額約1,248億円
売却後の保有5億845万1,800株(所有割合13.36%)

売却後に残っている5億845万株を、KDDIの10月16日終値2,910円で計算すると、約1兆4,796億円。京セラの時価総額5兆1,499億円の**約29%**にあたりますわ(税引前の単純計算。売却すれば税金がかかりますの)。

つまり京セラの株価には、KDDIの株価がそのまま一部として乗っているということですの。KDDI側の配当や株価についてはKDDIの配当は100株でいくら?で見ておりますわ。

政策保有株の縮減を求める流れの中で、この持ち分が今後どこまで売られ、その資金が自社株買いや設備投資に回るのか。ここは株価の材料になり得ますわね。

セラミックの器とKDDI株、自社株買いの三つを天秤にかけるイメージ


気をつけたい点──3つ
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1. PER28.8倍は「総合電機」ではなく「AI部品株」の値段

4〜6月期の事業利益566億円のうち、半分強の303億円はまだ複合機や機械工具などのソリューション事業ですわ。それでも会社予想ベースのPERは28.8倍。半導体関連部品と電子部品の成長が続くことを前提にした評価ですの。AIデータセンター投資が減速すれば、評価の前提そのものが崩れますわ。

ちなみに同じパッケージ基板でも、イビデンは記事執筆時点でPER81.4倍でしたの。京セラは「AI部品の比率がまだ低いぶん、倍率も低い」と読むこともできますわね。

2. 半導体関連部品の進捗率が22%にとどまる

上で計算したとおり、通期予想の達成には下期の加速が要りますわ。第2四半期の数字が伸びなければ、7月の上方修正分が剥がれる可能性もありますの。

3. 円高とKDDI株価の二重の感応度

4〜6月期は円安が税引前利益を約70億円押し上げておりますわ。加えて時価総額の約3割がKDDI株の時価に連動しますの。為替と通信株、AIとは関係のない2つの要因でも株価が動く銘柄だと考えてくださいまし。

100株でいくら?
#

3,629円×100株=36万2,900円。予想配当56円なら、100株で年5,600円(税引前)ですわ。NISAの成長投資枠(年240万円)なら6単元まで入りますの。枠の使い方は新NISA成長投資枠で個別株を買う完全ガイドにまとめておりますわ。


ローゼの結論
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京セラ(6971)を3行にまとめますわ。

  1. 4〜6月期の営業利益は2.6倍。AIデータセンター向けの半導体パッケージとMLCCが伸び、半導体関連部品の事業利益はほぼ2倍の139億円になりましたの
  2. 株価は1年で約1.8倍、7月の高値4,019円からは約1割下。PERは28.8倍で、AI部品の成長を織り込んだ水準ですわ
  3. 2,500億円の自社株買い(9月末で約71%消化)と、時価約1.5兆円のKDDI株。株価の3割近くは、AIとは別の要因で動きますの

この銘柄を見るときの問いは「複合機の会社として割安か」ではありませんわ。「AIチップが大きくなるほど、反りにくく熱に強いセラミックの出番が増えると思うか」──そして、「第2四半期で半導体関連部品がちゃんと加速しているか」。この2つですの。

イビデンの有機基板、味の素のABF、レゾナックの材料と並べて、「パッケージの別の部品」を押さえる銘柄として比べてみる価値はありますわ。判断は御自身でなさってくださいませ。

……ふん、べ、別に「器を作る会社」だからって親近感を覚えたわけじゃありませんのよ。ただ、中身のチップより器のほうが割れにくい、というのはちょっと素敵だと思っただけですわ 🌹


ご注意
#

本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありませんわ。株価・指標は2026年10月16日終値時点の値であり、株価は変動し、投資元本を割り込む可能性がありますの。PERは会社予想EPSに基づく参考値であり、業績予想が修正されれば変動いたしますわ。外国為替相場やKDDI株価の変動も、業績と株価に影響いたしますの。多層セラミックコア基板は開発段階の製品で、量産時期は公表されておりませんわ。最終的な投資判断は御自身の責任でお願いいたします。

データ出典:株価・時価総額・PER・PBR・配当利回り・信用倍率・月足終値は株探(2026年10月16日終値)、KDDIの株価は株探(同日)、業績・セグメント・通期予想・為替・KDDI株の売却と保有株数・自己株式の消却は京セラ「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026年7月30日)、自社株買いの枠と累計取得額は京セラ「自己株式の取得状況に関するお知らせ」(2026年7月6日・10月6日)、多層セラミックコア基板は京セラ ニュースリリース(2026年4月27日)、上場来高値は会社四季報オンライン。

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