「複利は人類最大の発明」——そんな言葉を聞いたことがある方も多いと思いますけれど、正直「で、具体的にどれくらいすごいの?」と聞かれると答えられない方がほとんどですわよね。
実は、電卓もアプリも使わずに「資産が2倍になる年数」を10秒で暗算できる魔法の数式がありますの。それが今回ご紹介する**「72の法則」**ですわ。新NISAで積立を始めた御主人様にこそ知ってほしい、複利の「体感」を手に入れる方法をご紹介しますわよ 🌹
72の法則とは何か#
72の法則とは、**「72 ÷ 年利(%)= 資産が2倍になるまでの年数」**という超シンプルな計算式ですの。
例えば年利6%で運用した場合、
72 ÷ 6 = 12年つまり12年で資産が2倍になる、ということが一瞬でわかりますわ。本来は複利計算式(元本×(1+利率)^年数=2×元本)を解いて対数を使わないと出せない数字なのに、割り算ひとつで近似値が出せてしまうんですの。ふん、数学が苦手な御主人様でも安心してくださいましね。
この法則、実はかなり古くからあり、15世紀イタリアの数学者ルカ・パチョーリの著書にも記載があるとされていますわ。あのアインシュタインが「人類最大の発明」と複利を称賛したという逸話(真偽は諸説ありますけれど)とセットで語られることも多いですの。
なぜ「割り算」だけで正確な近似値が出るのか#
厳密には複利計算は次の式で表されますわ。
2 = (1 + r)^nこれをnについて解くと自然対数を使う必要があり、電卓なしでは到底暗算できませんの。ところが年利5%〜10%程度の範囲では、この式の近似値が「72 ÷ r」にかなり近くなることが数学的にわかっていますわ。
| 年利 | 72の法則の予測 | 実際の年数(厳密計算) |
|---|---|---|
| 3% | 24.0年 | 23.4年 |
| 5% | 14.4年 | 14.2年 |
| 7% | 10.3年 | 10.2年 |
| 10% | 7.2年 | 7.3年 |
| 15% | 4.8年 | 5.0年 |
ご覧の通り、5〜10%の実用的なレンジでは誤差1%未満というかなりの精度ですわ。ちなみに年利が20%を超えるあたりから誤差が広がってくるので、その場合は「70の法則」や「69.3の法則」を使う方が正確とされていますけれど、日常の資産形成で使う分には72で十分ですの。
新NISAの利回り別シミュレーション#
御主人様が実際に新NISAで運用する利回りに当てはめてみますわね。
- 全世界株式インデックス(オルカン想定・年利5〜6%):72 ÷ 5.5 ≒ 13年で2倍
- S&P500インデックス(年利7%前後の歴史的平均):72 ÷ 7 ≒ 10.3年で2倍
- 高配当ETF+配当再投資(年利4%想定):72 ÷ 4 = 18年で2倍
- 銀行の普通預金(年利0.001%):72 ÷ 0.001 = 72,000年で2倍(もはや人類が滅びますわ)
こうして並べると、「同じ100万円でも置き場所によって2倍になるスピードが7,000倍近く違う」という事実が一目瞭然ですの。銀行預金だけに全資産を置いておくことが、いかに機会損失かがわかりますわよね。
さらに面白いのが「2%の利回りの差」の破壊力ですわ。年利5%と年利7%、たった2%の差に見えますけれど、
- 年利5%:72 ÷ 5 = 14.4年で2倍
- 年利7%:72 ÷ 7 = 10.3年で2倍
同じ2倍達成までに4年以上の差が生まれますの。信託報酬0.5%の違いを軽視できない理由が、この法則からも見えてきますわ。
「早く始める」ことの価値を数字で見る#
72の法則は「時間の価値」を可視化するのにも便利ですの。年利6%(72÷6=12年で2倍)で考えてみますわ。
- 25歳で100万円を投資 → 37歳で200万円 → 49歳で400万円 → 61歳で800万円
- 35歳で100万円を投資 → 47歳で200万円 → 59歳で400万円
同じ100万円でも、10年遅れるだけで倍化のサイクルを1回逃すことになりますわ。61歳時点で比べると800万円 vs 400万円——スタートの10年差が、最終的に2倍の差になって返ってくるんですの。
「まとまったお金ができてから始めよう」という考え方が、実は一番のコスト高になる理由がここにありますわね。少額でもいいから今すぐ積立を始める方が、複利の恩恵を最大限受けられますの。

借金にも効く「負の複利」に要注意#
72の法則、実は借金の恐ろしさを理解するのにも使えますわ。リボ払いの年利は15〜18%程度が一般的ですけれど、これに当てはめると、
72 ÷ 15 = 4.8年返済せずに放置すると、借金元本が5年足らずで2倍に膨れ上がるということですの。投資で資産を増やすのと同じ法則が、借金では「負の複利」として牙をむきますわ。
- カードローン(年利15〜18%):4〜5年で残高が2倍
- 奨学金(年利1%前後):72年で2倍(かなりゆるやか)
- 住宅ローン(年利1.5%前後):48年で2倍
高金利の借金を抱えたまま投資を始めるのは、片手で資産を増やしながらもう片方の手でそれ以上のスピードで資産を減らしているようなものですの。「投資よりまず高金利の借金返済」というセオリーが、この数字を見ればすぐに納得できますわよね。
72の法則を投資判断に活かす3つの場面#
- 金融商品の比較検討時:信託報酬や想定利回りの違いを「2倍化年数」に変換すると、パンフレットの数字より直感的に比較できますわ
- 目標設定のシミュレーション:「60歳までに資産を〇倍にしたい」から逆算して、必要な利回りを72÷残り年数で概算できますの
- 家族や子供への説明:「年利〇%で運用すると〇年で2倍」という説明は、複雑な複利計算式より圧倒的に伝わりやすいですわ
FPに相談する前の予備知識としても十分使えますし、逆に「この商品は年利〇%を謳っているけれど、72の法則で計算すると本当にその年数で2倍になるのか」と検証する癖をつけると、怪しい高利回り商品の見極めにも役立ちますわよ。
実際の運用先で悩んだら、ドルコスト平均法と一括投資の比較記事も参考にしてくださいましね。「いつ・どうやって」始めるかも、複利効果に直結する重要な要素ですわ。

72の法則を使う上での注意点#
便利な法則ですけれど、過信は禁物ですわ。
- あくまで近似値:正確な数字が必要な場面(税務申告等)では厳密な複利計算を使うこと
- 一定利回りが前提:株式投資は年によって利回りが大きく変動するため、実際は「平均年利〇%」として長期でならした数字を使う必要がありますの
- 税金・手数料は考慮外:NISA口座なら非課税ですけれど、課税口座では実質利回りが下がる点に注意が必要ですわ
- インフレの影響も忘れずに:名目利回りだけでなく、物価上昇を差し引いた「実質利回り」で考えると、より現実的な資産形成計画が立てられますわ
なお、高金利のリボ払いや借金がある場合は投資より先に返済を優先すべきですの。詳しくは市場暴落時の投資戦略ガイドでも触れている「守りを固めてから攻める」考え方が参考になりますわ。
まとめ:72の法則は複利を「体感」するための最初の一歩#
72の法則は、複雑な金融工学の知識がなくても複利のインパクトを直感的に理解できる、シンプルながら強力なツールですわ。
- 72 ÷ 年利 = 資産が2倍になる年数
- 新NISAの想定利回り5〜7%なら10〜14年で資産が2倍に
- 「早く始めること」の価値が数字で明確に見える
- 借金の「負の複利」の怖さも同じ法則で理解できる
べ、別に難しい数式を覚えろとは言いませんけれど……この割り算ひとつだけは、頭の片隅に置いておいて損はありませんわよ。次に金融商品のパンフレットを見るときは、ぜひ72の法則で「本当の実力」を暗算してみてくださいましね 🌹






