決算説明会(アーニングスコール)、最後まで聞いていますか? 米国企業のカンファレンスコールは1時間前後、しかも早口の英語+専門用語だらけ。全部聞いてから要点を整理していたら、他の作業をする時間がなくなってしまいますわ。
そこで使えるのが AI文字起こしツール。音声をテキスト化するだけでなく、要約・翻訳・Q&A抽出まで自動化すれば、決算説明会の分析時間は「1時間 → 10分」に短縮できます。本記事では、個人投資家がすぐ実践できる具体的なワークフローをお伝えいたします。
なぜ決算説明会を「文字起こし」すべきなのか#
決算プレスリリース(数字)だけでは分からない情報が、カンファレンスコールには詰まっています。
- 経営陣のトーン:強気か弱気か、言い淀みはないか
- アナリストの質問内容:市場が何を懸念しているか一目瞭然
- ガイダンスの微妙な言い回し:「確信している」と「期待している」の温度差
- 即興の受け答え:想定問答にない質問への反応で経営の地力が分かる
これらは音声を「聞く」よりも「文字で読む」方が圧倒的に速く、後から検索・引用もしやすいのが強みですわ。
決算説明会の音声を文字起こしするAIツール4選#
1. Otter.ai(英語決算のリアルタイム文字起こし)#
米国企業のライブ配信を聞きながら、Otter.ai をブラウザで同時起動すればリアルタイムに文字起こしされます。会議終了後は自動要約(Otter AI Chat)で要点を抽出できるのが強みです。
- 無料プランでも月300分まで利用可能
- 話者分離(Speaker A/B)で「誰が何を言ったか」が明確
- 決算後すぐに検索可能なテキストが手に入る
2. Notta(日本企業の決算・日英翻訳に強い)#
日本企業の決算説明会や機関投資家向け説明会を扱うなら Notta が便利。日本語の音声認識精度が高く、議事録形式での要約出力にも対応しています。
- 日本語→英語、英語→日本語の自動翻訳付き
- 話者ごとの発言をタイムスタンプ付きで抽出
- Zoom/Teams録画からのアップロードにも対応
3. Whisper(OpenAI)+ ChatGPT/Claudeで自作パイプライン#
決算説明会の録音ファイル(mp3/mp4)がある場合は、OpenAIの音声認識モデル Whisper で文字起こしし、そのテキストをChatGPTやClaudeに投げて要約するのが最も柔軟な方法です。
(Whisperで生成したテキストをペーストした上で)
あなたはプロの証券アナリストです。以下は[企業名]の[年度]Q[X]決算説明会の
文字起こしです。次の観点で要約してください。
1. 冒頭説明(経営陣コメント)の要旨
2. ガイダンスの変化点(上方修正/下方修正/据え置き)
3. アナリストからの質問と回答の要点(Q&Aセクション)
4. 経営陣のトーン(強気/慎重/弱気)とその根拠
5. 次の四半期で確認すべきチェックポイント
箇条書きで、投資判断に直結する情報を優先してください。無料のWhisperモデルをローカル実行すれば、コストをかけずに大量の決算コールを処理できるのも魅力ですわ。

4. Fireflies.ai(Q&Aハイライト抽出に特化)#
Fireflies.ai はビジネス会議向けツールですが、決算コールのQ&Aセクションだけを自動抽出する機能が便利。「質問」「回答」「アクションアイテム」を自動分類してくれるため、アナリストとの応酬部分だけを素早く確認したいときに向いています。
実践ワークフロー:決算コールを10分で分析する手順#
- 録音・配信URLを準備(IR資料ページのWebcast、またはYouTube配信)
- Otter.aiまたはNottaでリアルタイム/事後文字起こし(5〜10分で完了)
- 文字起こしテキストをClaude/ChatGPTに貼り付け、上記プロンプトで要約(1〜2分)
- 要約結果とプレスリリースの数字を突き合わせ(ガイダンス変化点の裏取り)
- 気になる発言箇所だけ元の文字起こしに戻って原文確認(誤訳・誤変換チェック)
この5ステップを回せば、1時間の決算コールでも実質10分の投資家作業で要点を掴めます。
ワークフローを強化する3つのコツ#
コツ1:話者分離済みテキストを渡す#
要約AIに渡す前に、話者分離(CEO発言/CFO発言/アナリスト質問)が明確なテキストを用意すると、要約の精度が大きく向上します。誰の発言かが混ざったテキストでは、AIも文脈を取り違えやすいですわ。
コツ2:数字はプレスリリースで裏取りする#
文字起こしAIは固有名詞や数値の聞き取りを間違えることがあります。「売上高◯◯億ドル」のような重要数値は、必ず公式プレスリリースやIR資料の数字と照合してください。
コツ3:過去の決算コールと比較させる#
「前四半期の決算コールと比較して、経営陣のトーンはどう変化したか」とAIに追加質問すると、単発の要約では見えない「変化」を炙り出せます。継続的にテキストを蓄積しておくと、この比較分析の精度がどんどん上がっていきます。

なお、決算プレスリリースそのものをAIで読み解く方法については Google NotebookLMで決算書を10分で読破するAI活用術 もあわせてご参照ください。より広範な業界調査には Gemini Deep Researchで投資リサーチを10倍速にする活用術 が役立ちますわ。
ツール比較表#
| ツール | 得意分野 | 料金目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| Otter.ai | 英語のリアルタイム文字起こし | 無料〜月額16.99ドル | 米国企業のライブ決算コール |
| Notta | 日本語・日英翻訳 | 無料〜月額1,317円 | 日本企業の決算・機関投資家説明会 |
| Whisper + Claude/ChatGPT | 柔軟なカスタム要約 | Whisper無料/API従量課金 | 大量処理・独自プロンプト設計 |
| Fireflies.ai | Q&A自動抽出 | 無料〜月額10ドル | アナリスト応酬の確認 |
注意点:文字起こしAIの限界#
- 専門用語・固有名詞の誤変換:ティッカーや技術用語は特に誤りやすいため原文確認を
- 同時通訳的な翻訳のズレ:日英翻訳は文脈が崩れることがあるため重要箇所は英語原文も確認
- 著作権・配信規約の確認:一部のライブ配信は録音・再配布が制限されている場合があるため、各社IRページの利用規約を確認してから利用すること
- AIの要約が投資判断の代わりにはならない:最終判断は自分の頭で行うこと
まとめ#
AI文字起こしツールを決算分析に組み込むと:
- 決算コールの分析時間が1時間→10分に短縮
- 経営陣のトーンや微妙な言い回しまで見逃さず把握できる
- 過去の決算との比較がテキストベースで簡単にできるようになる
音声を「聞き流す」のではなく「テキストとして分析する」——このワークフローに切り替えるだけで、決算シーズンの情報収集力は大きく変わりますわ。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。



