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フジクラ・古河電工・住友電工を数字で比較|電線株4社の選び方

フジクラ・古河電工・住友電工を数字で比較|電線株4社の選び方

··10240 文字·21 分

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ローゼンマイヤー
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ローゼンマイヤー
AI・米国株・ETFの投資リサーチブログ。企業IR・決算資料・公的統計などの一次情報にあたり、AIインフラを支える「ツルハシ銘柄」を中心に分析しています。
目次

「フジクラ・古河電工・住友電工、結局どれを買えばいいのか」——電線株を調べ始めると、必ずここで止まりますわ。

3社とも東証プライムの電線大手で、3社ともAIデータセンター向けの光ファイバーを売っている。ニュースの見出しはどれも似ています。それでも、中身を数字で開けてみると3社はまるで別の会社ですの。

この記事では、2026年8月に出そろった2027年3月期第1四半期の決算短信と2026年8月31日の終値を使って、フジクラ・古河電工・住友電工に第4の電線株SWCCを加えた4社を、ひとつの表の上に並べますわ。定性的な「強み」の話ではなく、予想PER・配当利回り・最低投資金額・営業利益のAI依存度という比べられる数字で並べますの。

結論:4社を数字で横並びにするとこうなる
#

まず答えから出しますわ。株価は2026年8月31日終値、業績は各社の2027年3月期第1四半期決算短信に載っている会社側の通期予想です。

項目フジクラ(5803)古河電工(5801)住友電工(5802)SWCC(5805)
株価(8/31終値)5,504円4,020円2,221円14,950円
時価総額約9兆7,700億円約2兆8,400億円約7兆500億円約4,600億円
予想PER28.0倍26.9倍20.4倍19.3倍
予想配当利回り0.69%0.55%1.76%2.08%
最低投資金額(100株)550,400円402,000円222,100円1,495,000円
通期予想 売上高1兆7,550億円(+48.4%)1兆5,300億円(+17.0%)5兆4,000億円(+5.7%)3,300億円(+18.8%)
通期予想 営業利益4,320億円(+128.9%)1,230億円(+92.6%)4,500億円(+7.6%)330億円(+20.8%)
通期予想 営業利益率24.6%8.0%8.3%10.0%
2026年年初来+79.0%+281.4%+32.4%+36.4%
2026年の株式分割4/1に1→67/1に1→107/1に1→4なし

※予想PER・配当利回りは8月31日終値を各社の通期予想1株当たり当期純利益・年間配当予想で割った値。時価総額は期末発行済株式数×終値。年初来は2026年1月5日終値との比較(同期間の日経平均は+27.9%)。

この表だけで、よくある思い込みが3つ壊れますわ。

  1. 「電線株は割高」——一律ではありません。 フジクラ28.0倍に対し住友電工は20.4倍、SWCCは19.3倍。同じセクターで1.5倍近い開きがありますの
  2. 「古河電工は出遅れ組」——2026年に関しては逆です。 年初来+281.4%で4社中ダントツ。日経平均の10倍以上動いていますわ
  3. 「安くなった」と思ったら株式分割かもしれません。 4社のうち3社が2026年に分割していますの

順に開けていきますわ。

2026年、3社が株式分割した。過去の株価と比べるときの注意
#

まずここを押さえないと、他のすべての数字を読み違えますの。2026年に電線御三家は全社が株式分割を実施しています。

銘柄効力発生日分割比率分割前の株価イメージ
フジクラ(5803)2026年4月1日1株 → 6株8/31終値5,504円は分割前換算で約33,024円
古河電工(5801)2026年7月1日1株 → 10株8/31終値4,020円は分割前換算で約40,200円
住友電工(5802)2026年7月1日1株 → 4株8/31終値2,221円は分割前換算で約8,884円
SWCC(5805)実施なし—14,950円のまま

分割はいずれも各社の決算短信に明記されている事実ですわ。企業価値が増えたわけでも減ったわけでもありませんが、次の2点で読者を確実に混乱させますの。

  • 古い記事やSNSの株価と比べても意味がない。 2025年に「フジクラは3万円台」と書かれた記事は、そのままでは今の5,504円と比較できませんわ
  • 配当金の「1株当たり」も別物になる。 古河電工の2027年3月期の年間配当予想は22円ですが、分割を考慮しなければ220円。短信にもその旨の注記が入っていますの

そして分割の副作用として、最低投資金額が一気に下がりました。住友電工は100株22万円台、古河電工は40万円台。分割前の水準では手が出なかった方にも射程に入ってきますわ。逆に分割していないSWCCは100株149万5,000円で、個人が気軽に買える単価ではありませんの。

フジクラ(5803):営業利益の93%が情報通信という一点集中
#

4社のなかで最も極端な会社ですわ。

2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の実績

  • 売上高:4,020億円(前年同期比+50.1%)
  • 営業利益:1,048億円(同+155.1%)
  • 四半期純利益:804億円(同+156.8%)
  • 四半期の営業利益率:26.1%

電線メーカーで営業利益率26%というのは、業界の常識から外れた数字ですの。従来の電線事業は数%が当たり前でしたから。

理由はセグメント別の内訳を見れば一目瞭然ですわ。

セグメント1Q売上高前年同期比1Q営業利益
情報通信2,644億円+83.9%980億円
自動車550億円+24.7%12億円
エネルギー436億円+23.1%53億円
エレクトロニクス353億円△10.3%4億円
不動産28億円+0.6%13億円

全社営業利益1,048億円のうち980億円、実に93.5%が情報通信セグメント発ですの。会社は短信のなかで、データセンタ向け光コンポーネント製品の伸長に加え、米国以外の新規データセンタ案件で光コンポーネント製品の大量受注があったと説明していますわ。

会社は8月7日に通期予想を上方修正し、売上高1兆7,550億円(+48.4%)・営業利益4,320億円(+128.9%)としました。通期の営業利益が前期の2.3倍という予想ですの。

裏を返せば、これはデータセンター投資が減速したときに最も痛む構造でもありますわ。エレクトロニクスは前年同期比で営業利益が73.5%減っており、情報通信以外に支えがありません。フジクラを買うということは、実質的に「AIデータセンターの建設ペース」に賭けるのと同じ意味ですの。

古河電工(5801):「出遅れ・バリュー」はもう当てはまらない
#

多くの記事が古河電工を「電線御三家のなかで出遅れている割安株」と書いていますわ。2026年に関しては、これは事実と反対です。

年初来のリターンは**+281.4%**(1,054円→4,020円、分割調整後)。同期間の日経平均+27.9%の10倍以上、フジクラの+79.0%すら大きく上回っていますの。

2027年3月期第1四半期の実績

  • 売上高:3,652億円(前年同期比+24.3%)
  • 営業利益:255億円(同+205.4%)
  • 四半期純利益:222億円(同+335.0%)

営業利益が3倍になっていますわ。会社は当四半期からセグメント区分を変更しており、新区分での内訳はこうですの。

セグメント1Q売上高前年同期比1Q営業利益
メタルソリューション1,217億円+55.0%8億円
自動車電装システム920億円+10.9%64億円
光ソリューション600億円+45.6%92億円
情報コンポーネント596億円+32.8%74億円
エネルギーインフラ360億円+9.7%30億円

データセンター関連にあたる光ソリューション+情報コンポーネントで営業利益166億円、全社255億円に対して**約65%**を占めますの。フジクラの93.5%ほど極端ではありませんが、住友電工よりはるかにAI寄りですわ。

一方で売上高の最大セグメントはメタルソリューション(1,217億円)で、営業利益はわずか8億円。銅価格と為替の変動がそのまま売上を膨らませているだけで、利益にはほとんど貢献していません。「売上が55%伸びた」という見出しだけを読むと実力を過大評価しますので、注意が必要ですの。

通期予想は売上高1兆5,300億円(+17.0%)・営業利益1,230億円(+92.6%)。予想PERは26.9倍で、フジクラの28.0倍とほぼ変わりません。すでに「割安だから買う」銘柄ではなくなっているというのが、実数を並べた率直な結論ですわ。

住友電工(5802):情報通信は営業利益の28%。本体はあくまで自動車
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3社のなかで唯一、AIに乗り切っていない会社ですの。それは弱点であると同時に、この会社を選ぶ理由でもありますわ。

2027年3月期第1四半期の実績

  • 売上高:1兆3,306億円(前年同期比+15.9%)——フジクラの3.3倍の規模
  • 営業利益:971億円(同+61.0%)
  • 四半期の営業利益率:7.3%
セグメント1Q売上高1Q営業利益
自動車関連8,028億円260億円
環境エネルギー関連2,530億円153億円
産業素材関連他1,157億円170億円
エレクトロニクス関連1,106億円117億円
情報通信関連865億円272億円

情報通信関連は売上こそ865億円と小さいのに、営業利益272億円を叩き出しており、利益率は31%超。ここだけを取り出せばフジクラと同じくらい儲かっていますわ。ただし全社営業利益971億円に対する比率は**28.1%**で、会社の主戦場はあくまでワイヤーハーネス(自動車)ですの。

そして注意点がひとつ。会社の通期予想は売上高5兆4,000億円(+5.7%)・営業利益4,500億円(+7.6%)に対し、純利益は3,400億円で前期比△8.0%——増収増益なのに最終減益の予想ですわ。第1四半期が好調だったため8月に上方修正はされていますが、フジクラや古河電工のような加速感はありません。

その代わり、予想PER20.4倍・予想配当利回り1.76%・最低投資金額22万2,100円という数字は4社のなかで最もバランスが取れていますの。AI相場が冷えたときに最も傷が浅いのも、おそらくこの会社ですわ。

SWCC(5805):利益率と利回りは最良、ただし単元149万円の壁
#

旧・昭和電線ホールディングス。時価総額約4,600億円と、フジクラの1/21しかない小型株ですの。

2027年3月期第1四半期の実績

  • 売上高:777億円(前年同期比+24.9%)
  • 営業利益:87億円(同+80.4%)
  • 四半期の営業利益率:11.1%(住友電工・古河電工より高い)
セグメント1Q売上高前年同期比1Q営業利益
エネルギー・インフラ336億円+22.8%61億円
通信・コンポーネンツ419億円+27.2%26億円
その他22億円+16.9%5億円

会社の説明によれば、通信ケーブル事業では戦略製品e-Ribbon®が米国データセンター向けの需要を取り込み、半導体関連では半導体検査装置向けプローブピンが伸びていますわ。エネルギー・インフラ側は戦略製品**SICONEX®**で送配電網の強靭化投資を取り込んでいますの。

SWCCが数字の上で際立つのは、この2点ですわ。

  • 予想配当利回り2.08%(年間配当予想311円、前期223円から大幅増配)——4社で最高
  • 予想PER19.3倍——4社で最も低い

にもかかわらず買いにくいのは、株式分割をしていないため最低投資金額が149万5,000円だからですの。NISAの成長投資枠は年240万円ですから、これ1銘柄で枠の6割超を使ってしまいますわ。分散を効かせたい方には、ここが最大の障害になりますの。

4社の「AI依存度」を営業利益で測る
#

比較の核心はここですわ。「AI関連です」と言っても、利益のどれだけがAIから来ているかは会社ごとに全く違いますの。2027年3月期第1四半期のセグメント営業利益から計算した比率がこちらです。

銘柄データセンター系セグメントの1Q営業利益全社1Q営業利益AI依存度
フジクラ情報通信 980億円1,048億円93.5%
古河電工光ソリューション92億円+情報コンポーネント74億円255億円65.2%
SWCC通信・コンポーネンツ 26億円87億円30.1%
住友電工情報通信関連 272億円971億円28.1%

※各社の四半期決算短信のセグメント情報から算出。SWCCはセグメント間調整前の単純比のため参考値。

この数字は、そのままAI相場が崩れたときの下落耐性の裏返しとして読めますわ。

  • フジクラ:AIのアップサイドを最大限取れるが、CapEx減速の直撃も最大
  • 古河電工:AI比率は高いが、自動車電装・エネルギーインフラという安定した足腰がある
  • 住友電工・SWCC:AI以外の事業が利益の7割を稼いでいるので、セクター調整局面での耐性は高い

参考までに、4社とも52週高値からは2〜4割下げた水準にいますわ(8月31日終値時点でフジクラ△30.6%、古河電工△35.6%、住友電工△40.2%、SWCC△23.6%)。年初来では大幅高でも、直近の数か月はセクター全体が調整しているということですの。「AI関連はもう天井」という声と「押し目」という声が拮抗している局面ですわ。

光ファイバーそのものの技術と需要構造については、光通信・光ファイバー関連株の全体像でも整理していますの。

割高か割安か:PER・配当利回り・時価総額で見る
#

同じ「AIインフラ株」でも、株価に織り込まれている期待の量は違いますわ。

銘柄予想PER予想配当利回り時価総額通期予想 営業利益率
フジクラ28.0倍0.69%約9兆7,700億円24.6%
古河電工26.9倍0.55%約2兆8,400億円8.0%
住友電工20.4倍1.76%約7兆500億円8.3%
SWCC19.3倍2.08%約4,600億円10.0%

読み方の要点を3つ挙げますわ。

① フジクラの28倍は「高い」のか。 通期の営業利益が前期比+128.9%という予想を前提にしたPERですの。この成長が続けば28倍は高くありませんが、来期に成長が鈍れば同じ株価でPERは跳ね上がりますわ。利益成長が止まった瞬間に最も脆いのが、この手の高成長・高PER銘柄ですの。

② 古河電工の26.9倍は割高感が出てきた。 営業利益率8.0%という「普通の電線メーカー」の収益性で、フジクラとほぼ同じPERを付けているという状態ですわ。年初来+281%の上昇が、すでに構造改革の成果を先食いしている可能性がありますの。

③ 配当を取りにいくなら住友電工かSWCC。 フジクラの0.69%・古河電工の0.55%は、配当目的で持つ水準ではありませんわ。インカムを重視するなら、この2社は候補から外れますの。NISAで配当を非課税で受け取る戦略については新NISA成長投資枠の使い方にまとめていますわ。

米国・欧州の電線ケーブル関連株と比べるとどうか
#

AIデータセンターの建設量が最も多いのは米国ですから、米国上場銘柄も選択肢に入りますわ。

銘柄ティッカー上場市場特徴
CorningGLWNYSE光ファイバーの世界的リーダー。データセンター向け光接続で直接的な恩恵
AmphenolAPHNYSE高速コネクタ・ケーブルアセンブリ。AIサーバー内配線の主要サプライヤー
PrysmianPRYミラノ世界最大の電線メーカー。2024年に米エンコア・ワイヤーを買収し北米事業を強化
NexansNEXパリ欧州大手。海底ケーブル・送電網に強み
CoherentCOHRNYSE光トランシーバー。データセンター間の光通信に不可欠
AtkoreATKRNYSE電線管(コンジット)・電気設備資材

2026年8月31日終値で、Corningは148.70ドル(52週高値271.78ドルから△45.3%)、Amphenolは158.60ドル(52週高値178.52ドルから△11.2%)。Corningの下げ幅は日本の電線御三家より大きく、この調整は日本固有ではなく光ファイバー関連のグローバルな現象であることが分かりますわ。

なお、かつて米国の電線株として人気だったエンコア・ワイヤー(旧WIRE)は2024年にPrysmianに買収され、単独では上場していません。古い記事を参考にする際はご注意くださいまし。

個別を選びきれない場合は、送配電網まわりをまとめたGRID(First Trust Nasdaq Clean Edge Smart Grid Infrastructure Index Fund)や、米国インフラ建設全般のPAVE(Global X U.S. Infrastructure Development ETF)という手もありますわ。分散は効きますが、「電線特需」を直撃で取りにいく効果は薄まりますの。

電線株の株価を動かす3つのマクロ要因
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個別企業の業績以前に、セクター全体を上下させる要因が3つありますわ。

① 銅の価格
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電線の主原料は銅です。2026年8月31日時点のCOMEX銅先物は1ポンド6.694ドルで、過去52週のレンジ(4.472〜6.750ドル)のほぼ上限に張り付いていますの。

銅高はまず売上を押し上げますわ。実際、古河電工のメタルソリューションは売上+55.0%に対して営業利益は8億円(前年同期比△2.1%)で、売上だけが銅価で膨らんだ典型例ですの。住友電工も自動車関連事業について、銅価格上昇が営業減益の一因だったと短信で説明していますわ。

「銅高=電線株に追い風」は誤りです。 多くの電線メーカーは銅価格を製品価格にスライドさせる契約を持つため、長期的には中立に近く、短期的にはむしろコスト先行で利益を圧迫しますの。銅の需給そのものは銅・レアメタル需要がAI時代に急増する理由で整理していますわ。

② ハイパースケーラーの設備投資(CapEx)
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電線メーカーの受注は、電力会社の送配電投資計画と、データセンター事業者の建設計画に連動しますの。四半期ごとのマイクロソフト・アマゾン・グーグル・メタのCapExガイダンスは、電線株にとっての先行指標ですわ。これらが減額されると、電線株もセットで売られる傾向がありますの。

フジクラのようにAI依存度93.5%の銘柄は、この発表日に最も大きく動きますわ。

③ 為替(円ドル相場)
#

3社とも海外売上比率が高く、円安は業績の追い風ですの。2026年8月31日時点のドル円は159.73円(52週レンジ146.22〜163.98円)で、円安水準にありますわ。

住友電工は第1四半期の増収要因として明確に「円安の影響」を挙げていますの。裏を返せば、円高に振れれば実力に変化がなくても円換算の利益が目減りするということですわ。決算資料の想定為替レートを確認しておくと、上振れ・下振れの余地が読めますの。

電線株への投資で押さえるべきリスク
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  1. AI投資の減速リスク:ハイパースケーラーのCapExが縮小すれば需要も縮む。AI依存度93.5%のフジクラが最も感応度が高い
  2. 高PER銘柄の反動:フジクラ28.0倍・古河電工26.9倍は、高い利益成長の継続を前提にした水準。前提が崩れると調整幅が大きい
  3. 銅価格の上振れ:52週レンジ上限に張り付いた銅は、短期的にはコスト要因として利益を圧迫する
  4. 円高リスク:海外売上比率が高い分、円高局面では実力と無関係に円建て利益が目減りする
  5. SWCCの流動性と単価:時価総額約4,600億円の小型株で、100株149万5,000円。1銘柄で資金が固まりやすい

分散を心がけ、1銘柄に集中しすぎないこと。 これは4社の性格が想像以上に違うからこそ、なおさら重要ですわ。

NISAで電線株を買うには:実際にいくら必要か
#

4社すべて東証プライム上場で、NISAの成長投資枠(年間240万円)で購入できますの。実際に必要な金額はこちらですわ(2026年8月31日終値・100株単位)。

銘柄最低投資金額成長投資枠240万円に対する比率
住友電工(5802)222,100円9.3%
古河電工(5801)402,000円16.8%
フジクラ(5803)550,400円22.9%
SWCC(5805)1,495,000円62.3%

3社に分散するなら住友電工+古河電工+フジクラで117万4,500円、成長投資枠の約49%で収まりますわ。SWCCを含めた4社そろい踏みは267万円となり、年間の成長投資枠を超えますので、買うなら年をまたぐか銘柄を絞る必要がありますの。

なお単元未満株(S株・かぶミニ等)を使えば1株から買えますので、金額を細かく刻みたい方はそちらも選択肢ですわ。

まとめ:4社は「同じセクターの別物」ですわ
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銘柄一言で言うと向いている人
フジクラ(5803)AI依存度93.5%の純粋なデータセンター銘柄AIの伸びに集中投資したい。調整も受け入れられる
古河電工(5801)AI65%+安定事業35%。ただし年初来+281%で割安感は消えた分散の効いたAI比率を求める。高値づかみに注意
住友電工(5802)AIは利益の28%。本体は自動車の巨大企業PER20倍・利回り1.76%・22万円から。バランス重視
SWCC(5805)利益率と利回りは最良。ただし単元149万円まとまった資金があり、小型株のリスクを取れる

AIバブルが来ようと去ろうと、データを流す光ファイバーと電力を届けるケーブルの需要は消えません。ただし「電線株を買う」という判断は存在しませんわ。この4社のどれを、どういう理由で買うのか——そこまで決めて初めて投資判断になりますの。

AIインフラのほかのレイヤーも合わせて見たい方は、ツルハシ投資完全ガイドと変圧器・送電網の関連銘柄をどうぞ。

よくある疑問(FAQ)
#

Q. フジクラ・古河電工・住友電工のうち、AI恩恵が最も大きいのはどれですか?

フジクラ(5803)ですわ。2027年3月期第1四半期の全社営業利益1,048億円のうち、情報通信セグメントが980億円と**93.5%**を占めていますの。古河電工は約65%、住友電工は約28%ですから、AI感応度の差は歴然ですわ。ただし裏返せば、フジクラはデータセンター投資が減速したときの下落リスクも最大ということですの。

Q. 3社とも株価が下がっていますが、株式分割の影響ですか?

いいえ、分割は理論上の株価を機械的に調整するだけで、下落ではありませんわ。ただし2026年にフジクラが4月1日に1株→6株、古河電工と住友電工が7月1日にそれぞれ1株→10株・1株→4株の分割を実施していますので、分割前の株価をそのまま比べると「暴落した」と誤解しますの。証券会社の株価チャートは通常、分割を遡って調整して表示していますわ。

Q. 古河電工は「出遅れ株」と聞きましたが、まだ割安ですか?

2026年に関してはもう当てはまりませんわ。年初来のリターンは**+281.4%**で、日経平均の+27.9%を大きく上回っていますの。予想PERも26.9倍まで上がっており、フジクラの28.0倍とほとんど変わりません。営業利益率は8.0%とフジクラの24.6%に大きく劣りますので、「安いから買う」という理由付けは現時点では成立しにくいですわ。

Q. 配当目的で電線株を持つならどれですか?

予想配当利回りはSWCC(5805)が2.08%、住友電工(5802)が1.76%、フジクラ(5803)が0.69%、古河電工(5801)が0.55%ですわ。配当を取りにいくならSWCCか住友電工ですが、SWCCは100株149万5,000円と単価が高いため、現実的な選択肢は住友電工(22万2,100円)になることが多いですの。

Q. 銅の価格が上がると電線株にはプラスですか?

短期的にはマイナスに働くことが多いですわ。実際に古河電工のメタルソリューション事業は2027年3月期第1四半期で売上が55.0%増えたのに、営業利益は8億円と前年並みでしたの。住友電工も自動車関連事業の減益要因として銅価格上昇を挙げていますわ。多くの電線メーカーは銅価格を販売価格に転嫁する仕組みを持つため長期的には中立に近いですが、「銅高=電線株買い」は成り立ちませんの。

Q. NISAの成長投資枠で3社そろえるといくら必要ですか?

2026年8月31日終値・100株単位で、フジクラ550,400円+古河電工402,000円+住友電工222,100円=117万4,500円ですわ。年間の成長投資枠240万円の約49%ですの。SWCCを加えると267万円となり枠を超えますので、そのときは単元未満株を使うか、年をまたいで買うことになりますわ。


この記事で押さえるポイント
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  • 4社を予想PER・配当利回り・最低投資金額の実数で比較した
  • 2026年にフジクラ(1→6)・古河電工(1→10)・住友電工(1→4)が株式分割したことを把握した
  • AI依存度がフジクラ93.5%・古河電工65.2%・SWCC30.1%・住友電工28.1%と大きく違うことを理解した
  • 古河電工が2026年年初来+281.4%で、もはや「出遅れ株」ではないと確認した
  • 銅高は短期的にはコスト要因で、電線株の追い風とは限らないと理解した
  • ツルハシ投資完全ガイドで他のAIインフラ銘柄も確認した

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参考情報・データソース
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本記事の業績数値は、各社が公表した2027年3月期第1四半期決算短信(フジクラ2026年8月7日、古河電工2026年8月6日、住友電工2026年7月31日、SWCC 2026年8月7日発表)に記載された実績および会社側の通期業績予想にもとづいています。株価・銅先物・為替は2026年8月31日終値です。

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半導体製造装置シェア|ASML・東京エレクトロン・レーザーテック

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🌹 本日のハイライトですわ! 半導体製造装置のシェアは「工程ごと」に見ないと意味がありませんの。会社単位の順位だけ見ても実態は掴めませんわ ASMLはEUV露光装置の唯一の供給者。2025年通期の売上高は326億ユーロ、2026年10月14日には第3四半期で過去最高の116.6億ユーロを出し、通期見通しを440〜450億ユーロに絞り込みましたわ コータデベロッパ(塗布・現像装置)は東京エレクトロンが世界シェア91%(CY2025・ガートナー基準/同社作成)、EUV露光向けに限れば自社推定100%。ただし同社の売上の34.1%が中国向けですの 「露光装置」はろこうそうちと読みますわ。用語の読み方は一覧表にまとめましたの レーザーテックはEUVマスク検査の中核企業。でも2026年6月期は減収減益でしたわ——「ASMLが売れれば連動する」は単純すぎますの 3社は競合ではなく工程が違うだけ。だからこそ3社まとめ買いは分散になりませんのよ 🌹 ごきげんよう、ローゼンマイヤーですわ 🌹

エヌビディア(NVDA)Q4 FY2026決算速報|AI覇者の業績と今後の株価見通し

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🌹 本日のハイライトですわ! エヌビディアがQ4 FY2026決算を発表。市場予想は売上高約650億ドル(前年同期比75%超成長)でしたわ 次世代Blackwellアーキテクチャへの需要が旺盛で、AIインフラ投資の勢いは衰えていませんの 好決算でも株価が動きにくい「期待先行相場」の局面。次世代「Rubin」の動向にも注目ですわ 2026年2月25日(現地時間)、世界で最も注目を集める企業のひとつ、エヌビディア(NVDA)がFY2026第4四半期の決算を発表しましたわ。時価総額でも世界トップクラスに位置するこの会社の決算発表は、もはや「一企業の決算」という枠を超え、AI市場全体の体温計として機能していますの。

変圧器(トランス)不足とAI|日立エナジー・ダイヘン・明電舎など注目インフラ株を解説

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🌹 本日のハイライトですわ! **変圧器(トランス)**は電圧を変換する電力インフラの根幹設備で、AIデータセンターに不可欠 世界的な変圧器不足が深刻化 — 納期が2〜4年待ちになるケースも AIデータセンター建設ラッシュ+再エネ拡大+老朽設備更新の「三重需要」が重なる 日立エナジーは米国に1,500億円超の投資、ダイヘンは100億円で生産能力倍増、明電舎も160億円の増設投資を発表 変圧器(トランス)とは? — 電力を届ける「見えないインフラ」 # 変圧器とは、電圧を上げたり下げたりする装置です。発電所で作られた電気は数十万ボルトという超高圧で送電され、工場や家庭に届くまでに何段階もの変圧を経て最終的に100Vや200Vになります。

パワー半導体(SiC・GaN)とは?ローム・富士電機・インフィニオンがAIデータセンターに不可欠な理由

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🌹 本日のハイライトですわ! パワー半導体は電力の変換・制御を担う半導体で、AIデータセンターの省電力化に不可欠な存在 従来のシリコン(Si)に代わる**SiC(炭化ケイ素)とGaN(窒化ガリウム)**が次世代材料として急成長中 SiCは高電圧・大電力向け(EV・データセンター電源)、GaNは高周波・中電力向け(サーバー電源・充電器)と用途が分かれる 注目企業はローム・富士電機・三菱電機(日本勢)、インフィニオン・STマイクロ・オンセミ・Wolfspeed(海外勢) AIインフラの電力問題が深刻化する中、パワー半導体は「ツルハシ銘柄」の中でも特に成長性が高い分野ですわ🌹 はじめに:AIの「電気代問題」を解決するカギ # 御機嫌よう、ローゼですわ🌹